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「アイ・エイ・アイ」:IAI

「サントリー美術館」

東京都港区赤坂9丁目・東京ミッドタウン内
「東京ミッドタウン」21世紀の日本を代表する街、世界に類を見ない独創的な街が誕生しました。


Japanese glass
Stylish vessels, playful shapes

和ガラス
粋なうつわ、遊びのかたち

江戸の町民文化の「粋な遊び心」を手業を極めた和ガラスに探る


 日本では、飛鳥時代には、原料から加工まで一貫した国産ガラスの製造が可能となり、ガラス玉類 (ビーズ) が装身具などに使われていました。しかし、本格的にガラスの器作りが始まったのは、江戸期のこと。南蛮船がもたらすヨーロッパのガラス器に憧れ、17世紀前半から中頃までには、長崎で吹きガラスが始められたと考えられています。
本展覧会では、江戸から明治にかけて、驚くほど、さまざまなものがガラスで作られ、生活の隅々に浸透していった様子のご紹介です。


会期: 2010 3/27(土)〜5/23(日) 展覧会は終了しました。
※作品保護のため会期中、展示替えがあります。
※各作品の展示については、美術館にお問合せください。

開館時間:{日・月・祝} 10時〜18時 {水〜土} 10時〜20時
※いずれも最終入館は閉館30分前まで
※ただし、5月2日(日)〜4日(火、祝)は20時まで開館
休館日:毎週火曜日 (ただし、5月4日(火・祝)は開館)
会場:
サントリー美術館


画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。

《 風鈴の森 2010 》

《 風鈴の森 2010 》
サントリー美術館


江戸の粋、憧れのガラス

 ガラスの透明感や輝き、繊細な美しさへの憧れは、いつの時代も変わらぬもの、むしろ江戸時代は今以上に、お洒落の小道具としてガラスが楽しまれていたのだと言います。


【展示構成】 〜本文より要約して掲載〜

・プロローグ: 「写す」 ― 憧れの和ガラス
天文12年(1543)、一隻のポルトガル船が種子島に漂着した。これをきっかけに、日本に南蛮船が渡来するようになり、時の権力者へ献上品をもって現われた。様々な珍しい品々の中には、日本ではまだ見ることのできないようなガラス製品もあった。

《憧れの和ガラス》

和ガラスの製造は 「写す」 ことからスタートしたと考えられます。まずプロローグでは、西洋のガラス製品にならったことを示す和ガラスや、製造に関わる資料などの紹介です。


・第一章: 「食べる ・ 飲む」 ― 宴の和ガラス
文献などをひも解くと、まず暮らしに取り込まれた和ガラスは、「吹き」による食にまつわる器や、珠や眼鏡のレンズ類の玉細工が主流だったことが分かります。

《宴の和ガラス》

第1章では、食と宴の席に取り入れられていった、美しく涼やかなガラス器の数々が紹介されます。



・第二章: 「装う」 ― みだしなみの和ガラス
皿や盃ばかりでなく、次第に身を飾る装身具にも、ガラス製のものが登場します。また、櫛、簪、笄といった和ガラスは、小粋な娘たちに人気があったようです。

《みだしなみの和ガラス》

第2章では、洒落者にもてはやされた和ガラスの紹介です。


・第三章: 「たしなむ」 ― 教養の嗜好の和ガラス
他にはない透明な素材のガラスは、文具や喫煙具といった、たしなみの場面でも活用されました。こうした嗜好性の強い和ガラスは、特に茶席に登場する機会が多かったに違いありません。ガラス製の茶壷や振出のほか、煙草盆や煙管なども見られます。

《教養の嗜好の和ガラス》

第3章では、数寄者に愛された和ガラスの紹介です。


・第四章: 「愛でる」 ― 遊びの和ガラス
涼をよぶガラスの素材感は、夏の花器や風鈴、金魚玉などに取り入れられます。また、芸を凝らした雛道具や、ガラス棒入りの虫籠やビーズの吊灯籠など、さまざまな細工物が作られました。

《遊びの和ガラス》

第4章では、目に愛らしい、遊び心一杯の和ガラスです。


「和ガラスの中のビーズ」  土田ルリ子 (サントリー美術館学芸員副部長)

日本人にとって、ビーズ (ガラス玉) は、古来より馴染み深い。もっともビーズは、ガラス史上、最初に登場する和ガラス (国産ガラス) である。1997年、奈良県飛鳥池遺跡 (7世紀後半) から、緑、黄緑、青、紺、褐色と、色とりどりのガラス小玉が発掘された。また、原料の鉛、長石、石英が共に見つかり、ガラス種が付着した坩堝や、玉作りのための鋳型も出土した。そのため、飛鳥池のガラス工房では、原料の調合から加工まで、一貫したガラス玉作りが可能だったことが分かったのである。もちろん、弥生中期から古墳時代にかけての遺跡からも、相当数に及ぶガラス玉が発掘されている。しかしそれらは、中国や朝鮮からの舶載品を再加工したものと見られている。正真正銘の国産品として、今のところ最古の和ガラスは、飛鳥池遺跡のビーズなのだ。… 
― 和ガラス展カタログ(2,000円)より抜粋掲載 :サントリー美術館 shop x cafe で販売しております ―


主催:サントリー美術館
後援:日本ガラス工芸学会、日本硝子製品工業会
協賛:三井不動産、石塚硝子、東洋佐々木ガラス、
東洋ガラス、三井住友海上火災保険


参考資料:News Release、「和ガラス」カタログ他
※写真撮影は全て、主催者の許可を得て行っております。


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